スクエニなど。ネタバレ注意!
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THE CRIMSON DRAGON
奈落から姿を現した城。
その城の巨大さと邪悪さを感じ取ったとき、ふと、彼女のことを思い出した。
来る前に、彼女に会っておきたかったけど、ちょうどすれ違いだったらしい。
居候の双子の姉弟が、僕の家に行ったと言っていた。
弱気になっているんだろうか。
・・・いや、必ず帰って、生きて彼女に会おう。
「神騎、行こうか。」
白く美しいドラグーンの言葉に頷いて、僕はその城に足を踏み入れた。
奈落の入り口で、シエラに会った。
ティアマットを止めるために、彼女は単身乗り込んできたようだ。
僕も進んで協力した。
ティアマットが復活するのは、僕の責任でもあるからだ。
ティアマットのけしかけた敵の妨害に遭ったりしたけれど、僕らは何とかティアマットの元へ辿り着いた。
そこで知った真実。
ラルクは、ティアマットの代わりにマナストーンを集め、最終的にはティアマットと戦って、勝った方が蘇るという約束をしていたらしい。
でも、そこまでティアマットはお人よしではなかった。
ラルクに過剰な力を送り込み、彼を異形の戦士へと変貌させる。
ラルクが理性をなくして僕らに襲いかかって来たから、応戦するしかなかった。
その間にティアマットはその場から去り、逃がしてしまった。
僕らは、ラルクを倒した。
力尽きたラルクに、シエラが駆け寄る。
二人は、短く言葉を交しあった。
そのままラルクは消えうせる。
シエラはその場で拳を握り締めていた。
僕には、かける言葉は見つからない。
そのとき、地面が大きく揺れ、僕の体は弾き飛ばされた。
気がつけば、シエラと共に、ティアマットの居城、焔城の前にいた。
どうやらヴァディスが助けてくれたらしい。
ティアマットは全てを飲み込み、世界を征服するつもりだ。
僕らは、ヴァディスから大地の絆を託され、ティアマットの野望を阻止するべく、彼の元へ急いだ。
マナの女神が望まぬのなら、僕らはきっと、彼を止められるはず。
城の中は、モンスターで溢れていた。
巨大な柱の影、天井のシャンデリアの上、階段の裏、ありとあらゆるところから、襲いかかってくる。
でも、僕らはドラゴンに見出された者。
その程度でやられるはずが無い
シエラは華麗な身のこなしで敵を撹乱し、僕が止めを刺す。
「さすがだ、その歳にして、見事なものだな。」
シエラが感心して僕を見る。
そう言っている間にも、彼女の短剣は数匹のモンスターの急所を切り裂いていた。
親も剣の使い手だったし、それに、共に技を磨きあう幼馴染がいると答えた。
シエラはくすっと笑った。
戦いの中で場違いなほど、優しい笑顔だった。
もしかしたら、僕のことを弟と重ねているのかも、とぼんやり思う。
「ぜひとも、会ってみたい。」
「シエラなら、仲良くなれると思うよ。」
そう言いながら、僕は魔法楽器を取り出す。
彼女はそれを見てすぐさま身を伏せた。
彼女に襲いかかろうとしていたモンスターが、炎によってなぎ払われる。
「戦いが終わったら、あなたの家を訪ねさせてくれ。」
「もちろん」
そう言って、二人で漆黒の階段を上った。
城の最上階に、ティアマットは待ち構えていた。
ティアマットは巨大なテラスへと僕らを誘い込み、ドラゴンの姿に変貌した。
真っ赤な血の色をした、巨大な竜。
彼は、炎の塊を吐いて、僕らを牽制してくる。
炎の熱風だけで皮膚がひりひりした。
ズボンの端が、じゅっと焦げた音がする。
炎だけに気を取られているわけにはいかない。
ティアマットは出した真空波を繰り出し、僕は避けそこねて肩口を切られた。
多くの血が出たけれど、見た目ほど深手ではない。
痛みに構っていては、すぐに奈落送りだ。
ただ、僕の剣は両手で持つよう大振りに作られている。
いくらか軽量化が図られているとはいえ、片手で扱うには重過ぎる。
剣を振るうことは出来ても、剣で相手の攻撃を受けることはできないだろう。
ならばと、僕はフルートを取り出して、光の魔法を放った。
ティアマットがそれに気を取られている隙に、シエラが懐にもぐりこもうとする。
しかし、ティアマットは鋭い鉤爪で攻撃を繰り出してきた。
シエラがバックステップで体勢を立て直そうとしたところに、ティアマットは翼を羽ばたかせて、突風を巻き起こした。
「シエラ!!」
僕は吹き飛ばされたシエラを目で追った。
彼女は空中で回転し、壁を上手く蹴ってダメージを緩和し、着地する。
ふと、風圧を感じて振り向けば、巨大な棍棒のようなものが襲いかかって来た。
僕はとっさに跳ねて、それにしがみ付く。
真紅の鱗、ティアマットの尾だ。
ティアマットはそのまま、壁に尾を叩きつけた。
僕はぶつかる直前に、魔法を発動させて自分の周りの壁や瓦礫を破壊する。
それがごくごく小規模だったので、ティアマットは、僕が壁にぶつかって瓦礫の下に埋まったのだと、思い込んだのだろう。
壁が崩れて土煙が多量に舞い上がっていたし、ティアマットの鱗と皮膚が厚いのも幸運の一つだった。
彼は、僕がいまだ尾にしがみ付いていることに気がついていない。
僕は傷を受けたほうの手と両足で、振り落とされないように必死につかまり、残った手で剣を握る。
シエラが僕の名前を叫んだのが聞こえた。
彼女の位置からは、僕の姿が確認できないらしい。
ティアマットがシエラに向き直る。
彼は勝ち誇ったように吼え、尾を振り上げた。
高い位置から、僕はシエラの姿を捉えた。
シエラも僕の姿に気付く。
しかしすぐに視線を外し、僕に気がついていない振りをして、ティアマットに攻撃を仕掛けた。
チャンスだ。
僕はティアマットの尾を滑り降りた。
尻尾の付け根の盛り上がったところから、一直線に僕の体は投げ出される。
僕は体勢を整えて、剣を振りかぶった。
感じたことの無い浮遊感がする。
耳元でゴウゴウという音だけがした。
思ったより空気の抵抗を感じない。
まるで、自分が風になったみたいだ。
狙うは、ティアマットの、青色の瞳の間。
妙に時間が遅く感じる。
これなら、片手しか使えないハンデも十分補えそうだ。
僕は、スピードと全体重を上乗せした剣を、ティアマットの額に突き立てる。
剣がティアマットの頭骨を貫き、脳に到達した感触がする。
刃が隠れきってしまうほど深く、剣が刺さった。
途端に、ティアマットは狂ったように叫び声を上げ、首を振りたくった。
僕は必死に剣の柄につかまっていたけど、遠心力に振り回されたせいで、剣はあっけなくティアマットの額から外れた。
僕は空中で受身を取る余裕が無い。
シエラが僕の落下地点に先回りして、体を張って受け止めてくれた。
彼女を下敷きにして倒れこんでしまったので、慌てて起き上がってシエラを見やる。
シエラは怪我をしていないようだったけど、僕の肩の血が着いてしまい、白い服が真っ赤に染まった。
とりあえずはほっとしたが、背後から巨大な音がして振り返る。
ティアマットは痛みのために暴れまわっていた。
傷口からは、血の変わりに光が漏れ出す。
彼の取り込んだマナの力が、傷口を裂いて吹き出した。
それと同時に地面が揺れ、焔城が崩れ始める。
僕はとっさにシエラを掴もうとしたが、血を流しすぎたのか思うように動けない。
そのまま僕の意識は閉ざされた。
気がつくと、奈落の墓石の前だった。
シエラとヴァディスと・・・そして、ラルク。
シエラが触れようとしたが、ラルクの体は呪いに蝕まれ、奈落から離れられず、ラルクに触れた者も同様の運命をたどることとなる。
でも、シエラはそれでも諦めなかった。
そして僕らは、やるべきことの為に旅立った。
きっとラルクに会いに行くと、約束をして。
元の場所にマナストーンを戻し、ドラゴンを復活させる旅は、時間がかかった。
ようやくヴァディスの下へ戻る。
シエラはヴァディスの側近くに控え、俯いた。
ようやく彼女に、弟を想う時間が訪れたのだ。
僕はヴァディスを見上げる。
彼女は静かに頷いて、黙って目を閉じた。
ふと、モンスターとは違う気配がして、振り返る。
木漏れ日の差す台座への道から、ゆっくりとこちらに近づいて来る者がいた。
シエラもヴァディスも、顔を上げる。
現れたのは、見覚えのある赤い鎧の獣人。
シエラは一歩だけ前に進んで、彼を見た。
彼も、彼女を見上げて立ち止まる。
二人の視線が交差する。
互いに、とても穏やかな顔をしていた。
言葉は、要らなかった。僕は無意識のうちに手を組んで、その光景に見入っていた。
照れるラルクを引っ張って、シエラと3人で僕の家へ向かった。
運の悪いことに、もうすぐ家に着くという距離で、激しい雨に降られて足止めをくらってしまった。
仕方ないので、さっさと眠ることにする。
夜中に雨は降り止んだようだ。
太陽が昇ると共に起き出して、すぐに出発した。
「あ・・・」
3人で平坦な小道を見ると、大きな木の麓に立つ、彼女の家が見えた。
なんだかひどく懐かしい、第二の我が家。
朝早い時間なのに、何故か家の前に人がいた。
瑠璃と真珠姫と、双子の小さな魔法使いと。
そして。
「おーい、羅樹華ー!」
僕はなんだか嬉しくなって、思わず手を振った。
彼女が振り返って僕を見る。
そして、朝日に負けないくらい、まぶしい笑顔で返してくれた。
その城の巨大さと邪悪さを感じ取ったとき、ふと、彼女のことを思い出した。
来る前に、彼女に会っておきたかったけど、ちょうどすれ違いだったらしい。
居候の双子の姉弟が、僕の家に行ったと言っていた。
弱気になっているんだろうか。
・・・いや、必ず帰って、生きて彼女に会おう。
「神騎、行こうか。」
白く美しいドラグーンの言葉に頷いて、僕はその城に足を踏み入れた。
奈落の入り口で、シエラに会った。
ティアマットを止めるために、彼女は単身乗り込んできたようだ。
僕も進んで協力した。
ティアマットが復活するのは、僕の責任でもあるからだ。
ティアマットのけしかけた敵の妨害に遭ったりしたけれど、僕らは何とかティアマットの元へ辿り着いた。
そこで知った真実。
ラルクは、ティアマットの代わりにマナストーンを集め、最終的にはティアマットと戦って、勝った方が蘇るという約束をしていたらしい。
でも、そこまでティアマットはお人よしではなかった。
ラルクに過剰な力を送り込み、彼を異形の戦士へと変貌させる。
ラルクが理性をなくして僕らに襲いかかって来たから、応戦するしかなかった。
その間にティアマットはその場から去り、逃がしてしまった。
僕らは、ラルクを倒した。
力尽きたラルクに、シエラが駆け寄る。
二人は、短く言葉を交しあった。
そのままラルクは消えうせる。
シエラはその場で拳を握り締めていた。
僕には、かける言葉は見つからない。
そのとき、地面が大きく揺れ、僕の体は弾き飛ばされた。
気がつけば、シエラと共に、ティアマットの居城、焔城の前にいた。
どうやらヴァディスが助けてくれたらしい。
ティアマットは全てを飲み込み、世界を征服するつもりだ。
僕らは、ヴァディスから大地の絆を託され、ティアマットの野望を阻止するべく、彼の元へ急いだ。
マナの女神が望まぬのなら、僕らはきっと、彼を止められるはず。
城の中は、モンスターで溢れていた。
巨大な柱の影、天井のシャンデリアの上、階段の裏、ありとあらゆるところから、襲いかかってくる。
でも、僕らはドラゴンに見出された者。
その程度でやられるはずが無い
シエラは華麗な身のこなしで敵を撹乱し、僕が止めを刺す。
「さすがだ、その歳にして、見事なものだな。」
シエラが感心して僕を見る。
そう言っている間にも、彼女の短剣は数匹のモンスターの急所を切り裂いていた。
親も剣の使い手だったし、それに、共に技を磨きあう幼馴染がいると答えた。
シエラはくすっと笑った。
戦いの中で場違いなほど、優しい笑顔だった。
もしかしたら、僕のことを弟と重ねているのかも、とぼんやり思う。
「ぜひとも、会ってみたい。」
「シエラなら、仲良くなれると思うよ。」
そう言いながら、僕は魔法楽器を取り出す。
彼女はそれを見てすぐさま身を伏せた。
彼女に襲いかかろうとしていたモンスターが、炎によってなぎ払われる。
「戦いが終わったら、あなたの家を訪ねさせてくれ。」
「もちろん」
そう言って、二人で漆黒の階段を上った。
城の最上階に、ティアマットは待ち構えていた。
ティアマットは巨大なテラスへと僕らを誘い込み、ドラゴンの姿に変貌した。
真っ赤な血の色をした、巨大な竜。
彼は、炎の塊を吐いて、僕らを牽制してくる。
炎の熱風だけで皮膚がひりひりした。
ズボンの端が、じゅっと焦げた音がする。
炎だけに気を取られているわけにはいかない。
ティアマットは出した真空波を繰り出し、僕は避けそこねて肩口を切られた。
多くの血が出たけれど、見た目ほど深手ではない。
痛みに構っていては、すぐに奈落送りだ。
ただ、僕の剣は両手で持つよう大振りに作られている。
いくらか軽量化が図られているとはいえ、片手で扱うには重過ぎる。
剣を振るうことは出来ても、剣で相手の攻撃を受けることはできないだろう。
ならばと、僕はフルートを取り出して、光の魔法を放った。
ティアマットがそれに気を取られている隙に、シエラが懐にもぐりこもうとする。
しかし、ティアマットは鋭い鉤爪で攻撃を繰り出してきた。
シエラがバックステップで体勢を立て直そうとしたところに、ティアマットは翼を羽ばたかせて、突風を巻き起こした。
「シエラ!!」
僕は吹き飛ばされたシエラを目で追った。
彼女は空中で回転し、壁を上手く蹴ってダメージを緩和し、着地する。
ふと、風圧を感じて振り向けば、巨大な棍棒のようなものが襲いかかって来た。
僕はとっさに跳ねて、それにしがみ付く。
真紅の鱗、ティアマットの尾だ。
ティアマットはそのまま、壁に尾を叩きつけた。
僕はぶつかる直前に、魔法を発動させて自分の周りの壁や瓦礫を破壊する。
それがごくごく小規模だったので、ティアマットは、僕が壁にぶつかって瓦礫の下に埋まったのだと、思い込んだのだろう。
壁が崩れて土煙が多量に舞い上がっていたし、ティアマットの鱗と皮膚が厚いのも幸運の一つだった。
彼は、僕がいまだ尾にしがみ付いていることに気がついていない。
僕は傷を受けたほうの手と両足で、振り落とされないように必死につかまり、残った手で剣を握る。
シエラが僕の名前を叫んだのが聞こえた。
彼女の位置からは、僕の姿が確認できないらしい。
ティアマットがシエラに向き直る。
彼は勝ち誇ったように吼え、尾を振り上げた。
高い位置から、僕はシエラの姿を捉えた。
シエラも僕の姿に気付く。
しかしすぐに視線を外し、僕に気がついていない振りをして、ティアマットに攻撃を仕掛けた。
チャンスだ。
僕はティアマットの尾を滑り降りた。
尻尾の付け根の盛り上がったところから、一直線に僕の体は投げ出される。
僕は体勢を整えて、剣を振りかぶった。
感じたことの無い浮遊感がする。
耳元でゴウゴウという音だけがした。
思ったより空気の抵抗を感じない。
まるで、自分が風になったみたいだ。
狙うは、ティアマットの、青色の瞳の間。
妙に時間が遅く感じる。
これなら、片手しか使えないハンデも十分補えそうだ。
僕は、スピードと全体重を上乗せした剣を、ティアマットの額に突き立てる。
剣がティアマットの頭骨を貫き、脳に到達した感触がする。
刃が隠れきってしまうほど深く、剣が刺さった。
途端に、ティアマットは狂ったように叫び声を上げ、首を振りたくった。
僕は必死に剣の柄につかまっていたけど、遠心力に振り回されたせいで、剣はあっけなくティアマットの額から外れた。
僕は空中で受身を取る余裕が無い。
シエラが僕の落下地点に先回りして、体を張って受け止めてくれた。
彼女を下敷きにして倒れこんでしまったので、慌てて起き上がってシエラを見やる。
シエラは怪我をしていないようだったけど、僕の肩の血が着いてしまい、白い服が真っ赤に染まった。
とりあえずはほっとしたが、背後から巨大な音がして振り返る。
ティアマットは痛みのために暴れまわっていた。
傷口からは、血の変わりに光が漏れ出す。
彼の取り込んだマナの力が、傷口を裂いて吹き出した。
それと同時に地面が揺れ、焔城が崩れ始める。
僕はとっさにシエラを掴もうとしたが、血を流しすぎたのか思うように動けない。
そのまま僕の意識は閉ざされた。
気がつくと、奈落の墓石の前だった。
シエラとヴァディスと・・・そして、ラルク。
シエラが触れようとしたが、ラルクの体は呪いに蝕まれ、奈落から離れられず、ラルクに触れた者も同様の運命をたどることとなる。
でも、シエラはそれでも諦めなかった。
そして僕らは、やるべきことの為に旅立った。
きっとラルクに会いに行くと、約束をして。
元の場所にマナストーンを戻し、ドラゴンを復活させる旅は、時間がかかった。
ようやくヴァディスの下へ戻る。
シエラはヴァディスの側近くに控え、俯いた。
ようやく彼女に、弟を想う時間が訪れたのだ。
僕はヴァディスを見上げる。
彼女は静かに頷いて、黙って目を閉じた。
ふと、モンスターとは違う気配がして、振り返る。
木漏れ日の差す台座への道から、ゆっくりとこちらに近づいて来る者がいた。
シエラもヴァディスも、顔を上げる。
現れたのは、見覚えのある赤い鎧の獣人。
シエラは一歩だけ前に進んで、彼を見た。
彼も、彼女を見上げて立ち止まる。
二人の視線が交差する。
互いに、とても穏やかな顔をしていた。
言葉は、要らなかった。僕は無意識のうちに手を組んで、その光景に見入っていた。
照れるラルクを引っ張って、シエラと3人で僕の家へ向かった。
運の悪いことに、もうすぐ家に着くという距離で、激しい雨に降られて足止めをくらってしまった。
仕方ないので、さっさと眠ることにする。
夜中に雨は降り止んだようだ。
太陽が昇ると共に起き出して、すぐに出発した。
「あ・・・」
3人で平坦な小道を見ると、大きな木の麓に立つ、彼女の家が見えた。
なんだかひどく懐かしい、第二の我が家。
朝早い時間なのに、何故か家の前に人がいた。
瑠璃と真珠姫と、双子の小さな魔法使いと。
そして。
「おーい、羅樹華ー!」
僕はなんだか嬉しくなって、思わず手を振った。
彼女が振り返って僕を見る。
そして、朝日に負けないくらい、まぶしい笑顔で返してくれた。
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